福島第一原発の廃炉工程見直し 核燃料取り出し 最大で5年遅れ

2019年12月27日 11時53分 NHK WEB

8.jpg福島第一原子力発電所の廃炉の今後の工程が2年ぶりに見直され、1号機と2号機の使用済み燃料プールから核燃料の取り出しを始める時期について、放射性物質を含む粉じんの飛散対策などを行うため、最大で5年遅らせることが決まりました。

福島第一原発の廃炉への道筋を示す工程が2年ぶりに見直され、27日、政府の会議で承認されました。

新たな工程では、1号機と2号機の使用済み燃料プールから核燃料の取り出しを始める時期を遅らせています。

1号機は現在の計画より4年から5年遅い、2027年度か28年度としました。

理由については、現在、水素爆発の影響で最上階に残るおよそ1000トンのがれき撤去を進めていますが、放射性物質を含む粉じんの飛散リスクがあるため建屋全体を覆う大型カバーを設置することになったためなどとしています。

2号機は現在の計画より1年から3年遅い、2024年度と26年度の間に見直しました。

建屋の壁に穴をあけて使用済み燃料プールから核燃料を取り出す計画ですが、建屋内部の放射線量が高いため、除染などの対策が必要とされたためです。

使用済み燃料プールからの燃料の取り出しは3号機ではすでに始まっていて、4号機では終了しています。

使用済み燃料プールからの取り出しを終える時期については、各号機の目標は示さず、1号機から6号機のすべてで、2031年末までとしました。

また、原子炉建屋にある溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」を冷やすため注入している水や地下水の流れ込みなどで毎日170トン前後発生している汚染水については、2025年末までに1日当たり100トン以下に抑えるとする目標を盛り込みました。

一方、廃炉作業の最大の難関とされるメルトダウンを起こした1号機から3号機の「燃料デブリ」の取り出しについては、2021年から2号機で試験的に開始し、段階的に規模を拡大していくとしています。

そして、すべての廃炉作業を完了する時期については、これまでと同じく2041年から2051年として変更はしませんでした。

大きな工程の見直しはおよそ2年ごとに行われていて、今月初め、今回の見直しの大きな方針と案が示され、27日、菅官房長官らが参加した政府の会議で正式に承認されました。

廃炉の工程を取りまとめている経済産業省は「廃炉作業は早く進める必要があるが、急ぎすぎれば、作業員の被ばくや放射性物質を含む粉じんの飛散などリスクにもなる。バランスを取りながら、緊張感を持って取り組んでいきたい。廃炉を終える時期については、今、目標を変える必要はないと考えている。これからの10年が大切で、そこで精査していきたい」としています。

梶山経産相「安全を最優先に考えた」
福島第一原子力発電所の今後の廃炉の工程が見直されたことについて、梶山経済産業大臣は「廃炉は先を見通すことが大変難しい作業で、スケジュールありきではなく安全を最優先に考えた」と述べて、安全を第一に作業を着実に進める考えを示しました。

福島第一原発の廃炉への道筋を示す工程が27日、政府の会議で承認され、1号機と2号機の使用済み燃料プールから核燃料の取り出しを始める時期について、放射性物質を含む粉じんの飛散対策などのため、最大で5年遅らせることが決まりました。

これについて、梶山大臣は27日の閣議のあとの記者会見で「燃料の取り出しを含めて、福島第一原発の廃炉は先を見通すことが大変難しい作業だ。不確定要素が多くスケジュールありきではない。安全を最優先に考え見直した」と述べました。

そのうえで梶山大臣は、すべての廃炉作業の完了時期はこれまでと同じく2041年から2051年として変更しなかったことについて、「一つ一つの作業で難しいものが遅れる場合も、順調に進んでいるものもあり、今の時点で30年から40年後の廃炉終了を目指すことに変わりはない」と述べ、廃炉に向けた作業を着実に進める考えを示しました。

菅官房長官「安全廃炉が復興の大前提」

東電 小早川社長「廃炉を安全かつ着実にやり遂げる」

廃炉推進カンパニー代表「求められる作業レベル高くなっている」

福島第一原子力発電所の廃炉の工程が2年ぶりに見直されたことを受けて、福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は27日に会見を開き、1号機の使用済み核燃料プールからの燃料の取り出し開始が、大型カバーの設置で遅れる見通しになったことについて触れ、「住民の方々の帰還が進むなどして原発周辺の環境が変わっている。また、1号機上部に残るがれきは何層にもなっているなど撤去の難しさがある。こうしたことから、放射性物質を含んだダストを飛散させないために求められる作業レベルも高くなっていて、建屋全体を覆う大型カバーの設置を決めた」と理由を述べました。

また、廃炉最大の難関とされる「核燃料デブリ」の取り出しについては、「2号機は最も調査が進んでいて、現場の状況を確認して作業に取りかかれる。初めは少量になるが、繰り返すことで知見を集め、設備の改良を進めながら全量取り出しを目標に最後まで頑張っていきたい」と話しました。

一方、廃炉に関わる作業でミスが多く発生し、原子力規制委員会から改善を求められていることについて、小野代表は「ミスが多いのは、私自身気にしているところ。いかに現場を把握してガバナンスしていくか、仕組みや組織を柔軟に変えていくことも必要と考えている。人が不足している分野については外部から連れてくるなど、どういう手段で人手をあつく増やすかについても考えていきたい」と対応について述べました。

福島原発3号機の詳細映像公開 大破の建屋、規制委立ち入り調査

2019/12/26 17:35 (JST) 共同通信 WEB

キャプチャ.PNG2011年3月に炉心溶融と水素爆発が発生した東京電力福島第1原発3号機の原子炉建屋について、原子力規制委員会は26日、立ち入り調査で撮影した詳細な映像を公開した。

映像では、大量のがれきが床全体を覆い、配管やダクトが折れて散乱。建屋内は原形をとどめておらず、事故の衝撃の大きさを改めて感じさせた。

測定した最大の放射線量は2階の配管表面の毎時150ミリシーベルト。

 大破した3号機内の詳細な映像の公開は初めて。12日に原子力規制庁職員6人が顔全体を覆うマスクを着け、防護服や手袋を重ね着して入った。建屋は5階建てで、主に3階の破損状況などを調べた。

「どの方法も風評避けられない」原発処理水放出で東電福島代表

2019/12/25 16:36 (JST)12/25 16:44 (JST)updated 共同通信 WEB

キャプチャ.PNG東京電力福島第1原発事故の復興支援に携わる同社福島本社の大倉誠代表が25日、共同通信のインタビューに応じ、第1原発で増え続ける処理水について「残念ながらどの処分方法を選んでも一定の風評は避けられない

復興のブレーキや足かせにならないよう、東電ができる対策を関係者と相談して検討したい」と述べた。

東電は第1原発で発生する汚染水を浄化処理しているが、放射性物質トリチウムは除去できず保管を続けている。

処理水の処分方法などを議論する政府小委員会は23日、国内外で処分実績のある海洋と大気への放出を軸に3通りの方法を提示した。

泊原発、放射性廃棄物を過少報告 30年超、実際の半分

2019/12/24 19:02 (JST) 共同通信 WEB

キャプチャ.PNG北海道電力は24日、泊原発(泊村)から大気中に放出している放射性廃棄物について、1号機が試運転を開始した1988年当時から、周辺自治体などに、誤って実際の半分程度の値を報告していたと発表した。

原発の運用ルールの保安規定で定める目標値は下回っており、周辺環境に影響はないとしている。

 同社によると、気体の放射性廃棄物はフィルターなどで放射性物質を低減した上で、1~3号機の排気筒や、原子炉建屋に隣接する「放射性廃棄物処理建屋」の焼却炉煙突などから排出している。

 放出量は原子力規制庁や道、泊村などに定期的に報告している。

福島第1原発処理水放出 政府小委「海洋」「大気」「両方」3案提示

2019年12月24日火曜日 河北新報 WEB

キャプチャ.PNG東京電力福島第1原発でたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法などを議論する政府の小委員会の会合が23日、東京都内であり、経済産業省は取りまとめ案として「海洋放出」など国内外で実績のある三つの処分方法を示した。開始時期や期間は「政府の責任で決定すべきだ」と指摘した。

 2016年9月に設立された小委はこれまで16回の議論を重ねた。今回の案は政府への提言のたたき台としての位置付けで、政府は小委の取りまとめを受けて関係者から意見を聴き、最終的に処分方法を決める。

海洋放出以外の処分方法は「大気放出」「両方実施する」の二つ。海洋放出は処理水を安定的に希釈拡散することができ、蒸発させる大気放出は過去に事故炉で実施された事例がある。一方で海洋は水産業や観光業、大気は陸側の農林業などへも影響が懸念される。
 両方実施は特定産業への風評の偏りを防げるが、水陸両方に影響範囲が広がるデメリットがある。

 処分方法はこれまで、地層注入や水素放出、地下埋設を含めて議論してきた。しかし、この三つは実績がなかったり、技術開発や新たな規制を設けたりする必要があり「現実的な選択肢としては課題が多い」と結論付けた。

 タンクを造り続けて処理水を長期保管する案は「現行計画以上のタンク増設の余地は限定的だ」と否定的な見方を示した。処分の開始時期や期間は「小委の議論だけで設定すべきではない」と明記した。

会合では委員から「海洋放出は社会的影響が極めて大きいということを明記すべきだ」「具体的な風評被害対策の検討が不足している」といった意見が出た。
 第1原発構内では、汚染水を多核種除去設備「ALPS(アルプス)」などで処理した水が日々たまり続け、保管するタンクの容量が22年夏ごろに満杯になるとみられる。

脱原発、独で見直し論 気候変動問題で再評価

2019年12月20日07時09分 時事通信 WEB

pic.001-w1280.jpg【ベルリン時事】ドイツで、2022年までに原発を全廃する政策の見直し論が浮上している。環境活動家グレタ・トゥンベリさんの発言で一段と活発になった気候変動の議論で、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない原発が再評価されているためだ。国民的支持を集めた政策の修正は容易ではないが、今後も論争は続きそうだ。

グレタさんに「落ち着け!」 トランプ氏、やゆするツイート

脱原発は、メルケル首相が2011年の東京電力福島第1原発事故を受け急きょ決定した。しかしメルケル氏が所属する与党キリスト教民主・社会同盟のエネルギー政策広報責任者ヨアヒム・プファイファー氏は18日のシュピーゲル誌(電子版)に「脱原発は誤りと考えていた」と説明。緑の党などが見直しの議論の音頭を取るなら「妨げることはない」と語った。旧東独で台頭する右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)も、原発に肯定的だ。ただ、緑の党は依然として脱原発を支持している。

 ドイツは1990年比の温室効果ガス削減幅を30年に55%、50年に最大95%とすることを目指す。このため、CO2排出が多い石炭火力発電も38年までに全廃する方針。

しかし脱原発と脱石炭の並行で、代替電源確保は一段と困難になった。頼みの再生可能エネルギーは、補助金削減で風力発電設備の新規建設が激減。十分な電力を確保しつつ目標を達成するのは困難との見方が支配的だ。メルケル氏後継候補の一人、ノルトライン・ウェストファーレン州のラシェット首相は2日のイベントで「順番が誤りだった」と指摘し、脱石炭を先行すべきだったと悔やんだ。

 11年当時はスイスなどに波及した脱原発も大きくは広がらず、東欧諸国では逆に原発増設が進む。気候変動対策と脱原発を両立できるか、今後数年でドイツの実行力が問われる。

福島・双葉、3月4日避難解除へ 駅周辺、町の復興に向け第一歩

2019/12/20 02:06 (JST)12/20 02:23 (JST)updated 共同通信 WEB

キャプチャ.PNG東京電力福島第1原発事故で全町避難が唯一続く福島県双葉町のJR常磐線双葉駅周辺など一部地区について、国が来年3月4日に避難指示を解除する方向で地元と最終調整していることが19日分かった。地元関係者が明らかにした。

 第1原発は双葉町と、ことし4月に避難指示が一部で解除された大熊町に立地。県内で全域避難が続く自治体は双葉町だけだった。解除は限定的な地域が対象ですぐに住民帰還が始まるわけではないが、双葉町の復興に向けた第一歩となる。

 大熊町の大野駅周辺など一部地区も、国が3月5日に避難指示を解除する方向で調整している。