再稼働同意の知事判断、越年も 福井、40年超原発

2020/11/26 00:31 (JST)11/26 01:38 (JST)updated 共同通信 WEB

img_5af91b38bdd1afb5d2d67ceab299710393631.jpg福井県の杉本達治知事は25日の記者会見で、運転開始から40年を超えた関西電力の原発3基の再稼働同意を巡り「無為に遅らせるつもりもないが焦ってやるものでもない。

時間を取って確認する必要がある」と述べ、判断を年明け以降に先送りする可能性を示唆した。


関電は、美浜原発3号機(美浜町)を来年1月にも再稼働させる工程を示すが、知事同意が遅れると実現は難しくなる。高浜原発1、2号機(高浜町)は来年3月以降の再稼働を目指している。

 杉本知事は、関電が使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の県外候補地を年内に示すことが同意の前提条件としている

川崎重工、原子力事業を売却 来年4月、水素関連に注力

2020/11/24 17:34 (JST)11/24 17:51 (JST)updated 共同通信 WEB

sgnl201505_04zu1.png川崎重工業は24日、原子力事業を原発施設のメンテナンスなどを手掛けるアトックス(東京)に売却すると発表した。

競争力の低い事業から撤退し、今後は成長が見込める水素エネルギー関連事業に注力する。来年4月1日付で、譲渡金額は非公表。業績への影響はないとしている。

川崎重工は1969年に原子力事業に参入し、約半世紀にわたり関連機器を原発メーカーに納めてきた。

機器は国内初の商用原発の東海発電所(茨城県)や北陸電力の志賀原発(石川県志賀町)などで使われた実績がある。原子力事業の売上高は非公表で、従業員約20人は配置転換で対応するとしている。

東海第二原発の再稼働、大半が反対 那珂で公聴会

2020年11月22日 07時40分 東京新聞 WEB

DtktoBzUcAYVsyP.jpg日本原子力発電(原電)東海第二原発(東海村)から三十キロ圏で、再稼働に同意が求められる那珂市の市議会原子力安全対策常任委員会は二十一日、再稼働の是非について市民から意見を聞く公聴会を市内で開いた。市内外の延べ約五十人が参加し、反対の声が大半を占めた。武藤博光委員長は取材に、この日の意見などを踏まえ、「来年度中には是非を判断したい」と述べた。

委員会は昨年度から、原発推進、反対それぞれの専門家を招いたり、東海第二を視察する勉強会を開いたりしている。今回、勉強会の一環として公聴会を開いた。
 総合センターらぽーると中央公民館の二会場で、委員六人のほか、福田耕四郎議長ら市議六人が出席。発言者からは「高レベル放射性廃棄物の処分方法も決まっていないのに、再稼働するのはおかしい」「(那珂市を含む)周辺自治体は避難計画を策定しているが、事故が起きたら計画通りには避難できない」と指摘が相次いだ。

原電が事故対策工事を進めていることにも、「決まってもいないのに、再稼働ありきで工事を進めている。市議もそれに何も言わないのが残念」と懸念する声が上がった。
 「住民投票で市民の意見を聞き、是非を判断してほしい」「多様な市民の意見を聞く方法として、東海村が実施する『自分ごと化会議』も参考にしてみては」などの提案もあった。

武藤氏は、公聴会で出た意見について「委員会での是非の判断に大きく影響する」と話し、事故対策工事が終了する予定の二〇二二年十二月までに市議会として態度を明らかにしたいとした。
 その上で、今後も市民の意見を聞くとともに、市議が考えを述べる意見交換会の開催にも意欲を示した。 (松村真一郎)

石川・志賀原発の事故訓練実施 コロナ対策も確認

2020/11/22 17:35 (JST) 共同通信 WEB

sty2011220012-f1.jpg石川県は22日、北陸電力志賀原発2号機(同県志賀町)が地震で外部電源を喪失、冷却装置で注水できなくなり、放射性物質が放出される事故を想定した訓練を実施した。

自衛隊や、原発から30キロ圏内の富山県氷見市など約130機関の約440人が参加新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ措置も確認した。

訓練は震度6強の地震が発生したと想定。司令塔となる志賀オフサイトセンターに石川県や北陸電の関係者が集まり、専用のテレビ会議システムで国などと情報共有する手順を確認した。

 避難経路では、車両や住民の放射性物質による汚染を検査する手順を訓練した。

女川原発の同意 グリーン社会への弾みに

2020.11.12 05:00 産経新聞 WEB

5e7c5a8df0375c6ad618cbac015e23ec_1.jpg東北電力女川原子力発電所2号機(沸騰水型・出力82.5万キロワット)の再稼働が確実になった。

 同機は今年2月、原子力規制委員会によって新規制基準への適合性が認められている。それに加えて立地自治体の女川町、石巻市と宮城県の各首長による3者会談で11日、懸案の地元同意が表明されたためである。

女川原発では防潮堤建設などの安全対策工事が続いており、運転再開は2年以上先になりそうだが、東日本大震災の津波で被災した原発の再稼働が視野に入ったのは初めてのことである。

 地元同意には、原発による地域経済の活性化を求める地元の声が後押しした部分が大きく、その点が特筆に値しよう。

 菅義偉首相は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を宣言しているが、原発の再稼働は9基止まりで足踏み状態だ。

脱炭素と電力の大量安定供給を両立させ得る原発の再稼働が続かなければ、50年の目標どころか「パリ協定」で世界に公約している30年度時点での26%削減の達成さえもおぼつかない。

 それには全17基が停止したままの沸騰水型原発の再稼働促進が必要だ。沸騰水型原発は、大事故を起こした福島第1原発と同タイプということもあって安全審査が遅れがちだった。その意味でも女川2号機の再稼働に確かな展望を開いた地元同意の意義は大きい。

沸騰水型の安全審査では、日本原子力発電・東海第2原発(茨城県)と東京電力・柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の方が進捗(しんちょく)していたのだが、地元同意の壁が再稼働の前に立ちはだかっている状態だ。

 今回の女川2号機への地元の温かい反応が、これら3基の原発の膠着(こうちゃく)状態打開への触媒となることを期待したい。日本の東半分に多い沸騰水型の再稼働は「西高東低」になっている原子力発電のアンバランスの是正にも働く。

世界の潮流はコロナ禍で冷え込んだ経済の回復と地球温暖化防止の両立を目指すグリーン社会への移行である。原子力発電はその実現に欠かせない。

 女川原発は9年前の大震災で震源に最も近い原発だったが、激烈な揺れにも巨大津波にも負けなかった。その事実をいま一度、思い起こしたい。

女川原発再稼働「事前了解」伝達 東北電社長、安全性向上へ決意

2020年11月19日木曜日 河北新報 WEB

https___imgix-proxy.n8s.jp_DSXMZO5028154027092019000001-4.jpg東北電力は18日、東日本大震災で被災した女川原発2号機(宮城県女川町、同県石巻市)の再稼働に向けて県と女川町、石巻市の「事前了解」を得た。大きなハードルを越えた樋口康二郎社長は「東京電力福島第1原発のような事故は二度と起こさない覚悟で、原発に対する信頼の再構築に取り組む」と強調した。

樋口社長は同日午前、県庁で村井嘉浩知事らから事前了解に関する文書を受け取った後、仙台市青葉区の本店で記者会見に臨んだ。「再稼働に対してさまざまな意見がある中、非常に重い判断があったと受け止めている」と述べ、安全性向上に全力を尽くす考えを改めて示した。
 事前了解は東北電と3者の安全協定に基づくプロセス。既設設備の改造を伴う工事や施設の新増設に必要で、東北電が2013年12月に協議を申し入れた。

東北電は現時点で安全対策工事を22年度に終える予定。事前了解に伴い、原子炉格納容器の破損を防ぐフィルター付きベント(排気)装置を既存の配管に接続したり、原子炉への注水を行う冷却系の代替設備を既存の系統につないだりする工事が可能となる。

 村井知事は、このタイミングで了解を決めた理由について「計画通りに工事を終えるためには(これ以上遅れれば)支障が出る」と東北電の再稼働工程に配慮したことを明言。その上で再稼働の前に改めて現地を視察する意向を示した。
 原子力規制委員会による新規制基準適合性審査は、基本設計に当たる「原子炉設置変更許可」を2月に合格。今後は詳細設計を示した「工事計画」、設備の運転管理を定めた「保安規定」の認可を目指す。
 須田善明女川町長は「厳しいまなざしと要求に応えてこそ信頼と安心の構築につながる」と強調。亀山紘石巻市長は「今後の安全対策もしっかり管理していく」とくぎを刺す。
 東北電にとって10年に及ぶ停止を経ての再稼働は、運転経験がない所員の増加など未知の課題もはらむ。樋口社長は「単なる再稼働ではなく、揺るぎない信念を持って『再出発』する」と決意を述べた。

東電に慰謝料1.4億円命令 南相馬・古里喪失訴訟 「賠償不十分」原告控訴へ

2020年11月19日木曜日 河北新報

20201118-00000011-ftv-000-1-thumb.jpg東京電力福島第1原発事故で地域コミュニティーが失われたなどとして、福島県南相馬市原町区の住民144人が東電に総額約33億1730万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、福島地裁いわき支部は18日、132人に対し総額約1億4610万円の支払いを命じた。原告側は賠償水準が不十分などとして控訴する方針。
 名島亨卓裁判長は避難への慰謝料として月額10万円を支払うよう命じ、子どもや妊婦には1万~40万円を上積みした。地域コミュニティーで継続、安定的な生活を送ることは法的に保護される利益と認定。古里が変容したことへの慰謝料として、一部を除く旧避難指示解除準備区域で150万円、旧緊急時避難準備区域で70万円を一律に認めた。

2002年に国が公表した地震予測「長期評価」を巡っては、東電が津波対策を講じなければならない切迫状況があったとは認められないと指摘。注意義務違反があったとしても「慰謝料を増額するほどの悪質性はない」と判断した。
 15年9月に提訴。原告側は避難期間に応じ月35万円の慰謝料に加え、古里が喪失、変容したとして第1原発の20キロ圏内で住民1人当たり2000万円、20~30キロ圏内で1000万円の慰謝料を求めた。
 弁護団の米倉勉弁護士は取材に「古里変容の被害が認められた一方、賠償水準が後退するなど不当な判決だ」と述べた。
 東電福島広報部は「判決を精査し、今後の対応を検討する」とコメントした。