東北大、福島・浜通りに分校設置 国の国際教育研究拠点構想に参画

2020年04月28日火曜日 河北新報 WEB

in-top1050.png東京電力福島第1原発事故で被災した福島県浜通りに国が整備を目指す国際教育研究拠点構想で、東北大は27日、廃炉や放射線医学を専門的に研究する分校「福島浜通り国際キャンパス」(仮称)を設置すると公表した。新型コロナウイルス対策として復興庁が同日、書面を提出してもらう形で開いた有識者会議で示した。

 分校で取り扱う研究は廃炉、放射線医学、ロボット、環境・エネルギー、産業、災害科学の6分野。各研究室に教授や技術員を3~6人ずつ配置する想定で、具体的な研究体制や事務部門の設置は今後検討する。

東北大は拠点構想への参画理由を「これまでの研究成果を浜通りの復興再生に還元したい」と説明。一方、研究者や学生が拠点に滞在する上で宿泊、医療施設の整備が欠かせないとし、「学内予算には限りがある。国の長期的な予算措置が必要」と指摘した。

 復興庁は1~4月、全国7大学に拠点構想に関するヒアリングを実施。27日までに、東北大のほか福島大、筑波大、お茶の水女子大が参画の意向を示した。

 福島大は「福島県内唯一の国立大として貢献は不可欠」とし、大学機能を一部移転する方針。大学院の食農学類を一部、浜通りに移し、半年から1年間常駐することも検討する。現状の教員数では対応が難しく、人的手当てを国に求める。

 筑波大は放射性物質による環境汚染データの蓄積や国際的なネットワークの構築、放射線災害に対応できる人材育成などを目的とした研究部門の設置を提唱。優秀な学生や資金の確保を今後の検討課題とした。

お茶の水女子大は女性研究者の発掘を目指し「女性活躍推進室」の設置を模索する。「女性の視点を生かすことで新たな技術革新につながる」と強調。福島の小中高生を対象にした理科教育の支援も打ち出す。

 国際教育研究拠点は浜通りに新産業を集積する「イノベーション・コースト構想」の一環で、昨年7月に有識者会議を設置。大学や企業、研究機関の誘致と集積を想定し、今年6月に最終報告書を取りまとめる。