欧州最古のベツナウ原発、稼働から50年に スイス

2019年12月12日 16:56 AFP通信 WEB

img_85ebf76e1532d3d0ed79133a27bc4576146687.jpg【12月12日 AFP】スイス北部アールガウ(Aargau)州にあるベツナウ(Beznau)原子力発電所が9日、運転開始から50年を迎えた。環境保護活動家らはあまりにも古くて危険だとし、直ちに閉鎖するよう求めている。

ベツナウ原発は、1969年12月9日に商業運転を開始した。50年が経過した原発のタービン建屋内にある青い壁にはドイツ語でこう書かれていた:「1969~2019年。35万5000時間稼働」

ベツナウ原発1号機は、現在稼働している原発として2番目に古い。国際原子力機関(IAEA)によると、最も古いのは1969年10月に稼働したインド西部タラプール(Tarapur)原発の1号機と2号機だ。

 ベツナウ原発の1号機と1971年に稼働した2号機を合わせると、その年間発電量は約6000ギガワットに上る。これは、スイスの最大都市チューリヒの電力消費量の約2倍に当たる。

■大規模改修
 ベツナウ原発はここ数十年で何度か改修を行っており、最近では2015~17年にかけて実施された。ベツナウ原発を運営する電力会社アクスポ(Axpo)の幹部ミハエル・ドスト(Michael Dost)氏はAFPの取材に、「部品は取り換えられており、新たな機器も設置された。原発に要求されるすべての技術的条件を満たしている」と話した。
 スイスの原子力安全検査局(ENSI)も、「ベツナウの1号機は、大規模改修のおかげですべての法的規制を満たしていることが証明されている」と述べている。

 だが、改修では原発の古さを補うことはできないとする反対意見もある。
「ベツナウ原発の改修に多額の投資をしたことは理解している。だが、安全性を改善したからといって、フォルクスワーゲン(Volkswagen)のビートル(Beetle)をテスラ(Tesla)に変えることはできない」

 そう話すのは、環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)・スイスの原子力専門家フロリアン・カッセル(Florian Kasser)氏だ。同氏は「原子力の安全性という観点から見ると大きなリスクだ」とベツナウ原発について指摘する。他方で、直近の選挙で議席数を伸ばした緑の党(Green Party)も、ベツナウ原発の即時閉鎖を求めている。

「2030年ごろまで稼働できる」
 2011年に福島第一原発事故が起きて以来、スイスでは原子力の安全性をめぐる議論が高まっている。その議論の中心にあるのがベツナウ原発だ。

福島での事故後、スイス政府は段階的に脱原発を進め、国内4か所の原発を閉鎖する計画を発表したが、その期限は決められていない。
 3年前に実施された国民投票では、45年以上稼働している原子炉を廃止し、原発閉鎖を前倒しする案は否決された。


 スイス・エネルギー局はAFPの取材に対し、「原発の運転期間は定められていない」と指摘する。そしてそれが意味するのは、ENSIが安全だと見なし、事業者が収益を上げられ、また求められる安全基準を満たすための改修に投資できる間は、原発を稼働し続けることができるということだと話した。
 アクスポのドスト氏も、「私たちは原発を2030年ごろまで稼働できると考えている」との考えを明らかにしている。(c)AFP/Eloi ROUYER

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