福島第一原発 処理水の放出 敷地内港湾からか沖合からなど検討

2021年5月16日 12時51分 NHK WEB

K10013033541_2105161041_2105161054_01_02.jpg東京電力福島第一原子力発電所でたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府は先月基準以下に薄めたうえで2年後をめどに海へ放出する方針を決めましたが、東京電力では敷地内の港湾から放出するか、海底に配管を設置して沖合から放出するかなど具体的な方法の検討を進めています。

福島第一原発でたまり続けるトリチウムなどを含む処理水について、政府が2年後をめどに国の基準以下の濃度に薄めたうえで海へ放出する方針を決めたことを受け、東京電力は具体的な放出方法やモニタリングのあり方などの検討を進めています。

このうち、処理水を放出する場所については、
▽5号機と6号機の放水口を使用するなどして港湾から放出する方法と、
▽海底に配管を新たに設置し、沖合から放出する方法を中心に検討しているということです。


沖合からの放出は、他の原子力施設でトリチウムを放出する際に実施されている方法だということです。

また、港湾からの放出は、現在、建屋周辺でくみ上げたトリチウムを含む地下水を基準以下であることを確認したうえで放出する際に行われています。

東京電力は、地元自治体や漁業者などの意見を聞きながら、具体的な放出方法を決め、原子力規制委員会の認可を得たいとしています。

処理水の海への放出をめぐっては、先月の決定以降、説明が足りないとする漁業者からの要望を受けて国による説明会が福島県内で開かれ、反対する意見が出されています。

浜岡原発停止10年 止めた菅直人氏「再稼働ありえぬ」

2021年5月15日 16時00分 朝日新聞 WEB

t02200130_0800047211973730920.jpg東京電力福島第一原発の事故を受け、当時の菅直人首相は2011年5月6日、中部電力に浜岡原発の運転停止を要請した。全号機が止まったのは同月14日。10年がたち、いまも停止が続いたままの浜岡原発をどう見ているのか。

――10年前の停止要請に至る経緯を改めて教えてください。

「南海トラフ地震の危険性が以前から指摘され、特に浜岡原発については私の頭にあった。当時の私は福島の原発事故に関しては原子力災害対策本部の本部長だったが、ほかの原発は原災本部の対象ではなく、私自身が能動的に行動をとろうとしていたわけではなかった」

「海江田大臣(海江田万里・経済産業相)が5月6日、私のところにきた。自らの判断で前日に視察した大臣が『浜岡の再稼働は止めるべきだ』と提案してくれた。担当大臣が現地で中部電の関係者と会ったうえで私に提案してくれた意味は大きい。浜岡は日本の中心で、そこで事故が起きると東海道新幹線も東名高速道路も寸断されるなど日本が真っ二つになる。私の心配と共通していたので総理として賛同した」

■「日本で最も危ない原発は浜岡」
菅氏は、いまも「日本で最も危険」とみている浜岡の再稼働について、どう考えているのでしょうか。記事後半では、東京電力福島第一原発事故後の経産省の「シナリオ」についても言及しています。

――その後、規制委員会の審査が続いている現状をどうみますか。浜岡の全炉を廃炉にすべきだという主張に変わりはありませんか。

 「結論からいうと変わりない…

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福島原発、汚染状況を立体画像化 廃炉作業の被ばく抑制に効果

2021/5/14 17:37 (JST) 共同通信 WEB

large_PN2021051401002347.-.-.CI0003.jpg日本原子力研究開発機構は14日、福島第1原発で放射性物質によって設備が汚染されている状況を立体的画像で示すシステムを開発したと発表した。廃炉作業で汚染調査にかかる時間を減らすことができ、被ばく抑制につながるとしている。

第1原発は、事故により建屋や設備が大きく損傷。がれきが散乱し、敷地内は放射性物質で広く汚染されている。

 レーザーを使って周囲の物体を把握する「3次元センサー」と放射線測定器などを組み合わせた装置を製作した。100m程度離れたところから、形や汚染の程度を連続的に計測できる。広い範囲を短時間で調査でき、調査のための作業員の被ばくを減らせる。

原発被ばく原因の「がん」認めず収束作業の男性、札幌地裁

2021/5/13 13:38 (JST)5/13 13:55 (JST)updated 共同通信 WEB

unnamed.jpg東京電力福島第1原発事故の収束作業中の被ばくが原因でがんになったなどとして、札幌市の元作業員の男性(63)が東京電力HDや作業の元請けだった大成建設など計3社に計約6400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は13日、請求を棄却した。

高木勝己裁判長は判決理由で、男性が作業開始からがんの診断を受けるまでの期間は長くとも約1年10カ月で、がんの最小潜伏期間の5年を大幅に下回っていると指摘。作業と発がんに因果関係を認めることはできないと判断した。

判決によると、男性は2011年7~10月、福島第1原発の敷地内で重機を使ってがれきの撤去作業に従事した。

水産業者、東電に不満噴出 処理水放出、宮城の官民会議初会合

2021年05月11日 23:40 河北新報 WEB

OF3pa1aWCcRom2JxRnlEAbvx_z6lkmtydzV4VmYDDdZTTnC05RGzkMom1Yqtz4Z6COG5X4qZAhsEmp9K-UJhOBRdGK9ZyGZCUtWUwWcA-lYpP3INZfa8bbRLq018xx1isGgN_rbXpevFeWNRFALV0Q==.jpg東京電力福島第1原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水を2年後をめどに海洋放出する政府決定を受け、宮城県は11日、政府や東電に対する地元の要望をまとめる官民会議「処理水の取扱いに関する県連携会議」の初会合を県庁で開いた。水産関係者を中心に、東電への不満とともに風評被害の懸念が噴出。座長の村井嘉浩知事は「県民の側に立って主張していく」と表明した。

 県漁協や県農協中央会、県ホテル旅館生活衛生同業組合など14団体の幹部ら約50人が出席。村井知事は海洋放出が国民的理解を得られた状況ではないと指摘し、「国と東電に責任ある対応を持続的に申し入れる必要がある」と強調した。
 経済産業省と東電の担当者が処理水の保管状況、海洋放出を決めた経緯を説明する場も設けられた。県内の水産業などへの風評被害を最大限抑制するための対策として国内外への情報発信や消費喚起策、流通網の拡大を挙げたが、従来の域を出なかった。

県漁協の寺沢春彦組合長は質疑で、東電による水質モニタリングや風評対策の実効性を疑問視。「東電と協議するつもりはない」と突き放し、政府が前面に立って賠償対応などを担うよう強く訴えた。
 連携会議には、県と水産関係7団体による専門部会も設けた。風評に関するデータを収集、分析して必要な支援策などを検討する。
 今後は会合を複数回開き、風評対策や賠償の在り方に関する意見をまとめ、政府の作業部会や東電に順次提言する。同様に風評被害が懸念される福島、茨城両県とも情報を共有する。
 次回の会合は、5月下旬以降に予定される政府の作業部会と合同開催する。農水産業、観光業の関係団体の声を集約し、県としての見解を示す方針。

40年超原発、6月にも再稼働へ 福井の関電美浜3号機、国内初

2021/5/11 20:59 (JST) 共同通信 WEB

m_kyodo_nor-2021051101002457.jpg関西電力が、運転開始から40年を超えた福井県美浜町の美浜原発3号機を6月下旬にも再稼働させる方向で最終調整していることが11日、関係者への取材で分かった。東京電力福島第1原発事故後に「原則40年、最長で延長20年」のルールができて以降初となる。近く正式決定し、工程を公表する。

ただ原発に義務付けられたテロ対策施設の工事が遅れており、完成できないと設置期限の10月25日までに再び停止することになる。この場合、稼働期間は4カ月ほどにとどまる。

 関係者によると、今月中にも原子炉への燃料装填作業を始める。順調に進めば営業運転入りは7月下旬ごろの予定

原発処理水、中韓も海洋放出 釜山は海産物が観光資源

2021.5.9 23:43 産経新聞 WEB

lif2105090039-p1.jpg東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出の方針が4月に決まり、反発を強める中国や韓国。今月5日の日韓外相会談でも、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相が「韓国民の健康や安全、海洋環境に潜在的な脅威を及ぼし得る」と懸念を示した。しかし、世界各国の原子力関連施設は原発事故前から処理水と同様にトリチウムを含む水を放出している。

韓国・釜山(プサン)のように付近で原子力関連施設がトリチウムを放出しながらも海産物の名所として知られる地域もあり、専門家は反発について「科学的根拠がない」と指摘。説明や補償の必要性を訴えた上で、「釜山の事例は福島の可能性を示す」としており、復興のひとつのモデルにもなり得る。(荒船清太)

福島第1原発に貯蔵されている処理水は約860兆ベクレルのトリチウムを含む。政府は貯蔵している処理水は大幅に希釈し、毎年最大22兆ベクレルを今後数十年に分けて放出していく方針だが、世界に目を向けると、1年でこの貯蔵量の10倍以上を放出している国もある。

 経済産業省が4月13日にまとめた資料によると、フランスのラ・アーグ再処理施設では2018年に1京1400兆ベクレルのトリチウムを海洋などに放出。英国のセラフィールド再処理施設は19年、423兆ベクレルを海などに流した。中国の福清原発も52兆ベクレルを液体放出している。

注目されるのが近隣国の韓国だ。釜山港から約30キロの古里(コリ)原発は18年に海洋などに50兆ベクレルを放出し、約80キロ離れた月城(ウォルソン)原発では25兆ベクレルを海洋などに出している。釜山は韓国第2の都市で、工業都市であるとともに韓国最大の海産物市場を抱える観光地としても知られる。釜山港に水揚げされるタイやヒラメ、タコの刺し身にみそなどを付けて出される郷土料理は名物となり、観光客を集めている。

福島第1原発の廃炉に携わる東京大大学院の岡本孝司教授(原子力工学)は「釜山にできて福島にできないことはない」と話す。

 反発を強める中国や韓国について、「いずれも自国でトリチウムを放出しており、科学的に冷静に対処すべきだ」とした上で、「処理水を放出すれば、今後原発から取り出されるデブリ(溶け落ちた核燃料)の管理も容易になる」と廃炉につながる点も強調する

ただ、放出にはいまだ忌避反応も強い。岡本教授は、分かりやすい言葉で現状を正しく伝えることが必要だと強調。「万が一、風評被害が生じた場合はきちんと補償する体制も整えるべきだ」としている。