原発事故 次世代に伝え続ける 芸術家15人が江戸川区で作品展

2021年4月1日 07時10分 東京新聞 WEB

OIF.jfif東京電力福島第一原発事故に向き合ってきた芸術家たちの作品展「もやい展」が一日、江戸川区のタワーホール船堀(船堀四)で始まる。漫画や絵本、写真などさまざまな分野の十五人が「事故を風化させまい」と出展した。八日まで。入場無料。 (加藤健太)
 二〇一七年の練馬区立美術館、一九年の金沢21世紀美術館に続き、三回目の開催

実行委員会代表で八王子市在住の写真家中筋純さん(54)は「事故から十年がたち、語られなくなってきている。次世代に伝え続けていかなければ」と、思いを語る。

中筋さんは、一四〜二〇年に福島県浪江町の商店街で撮った長さ七・五メートルのパノラマ写真を展示する。避難した住民が戻れない状況が続く中で自転車店やスナック、靴店が解体されていく町の姿を、定点観測の手法で表現した。

 福島県郡山市で小学校教諭をしている大塚久さん(57)は漫画で事故の恐ろしさを伝えてきた。今回は十作目となる新作「悔恨」の原画を並べる。「事故直後の怖さをもう一度思い出してほしい」と、当時のニュース映像の描写を絡めて緊迫感ある展開で描いた。

 会場のステージでは朗読劇やダンスなど日替わりのパフォーマンスも繰り広げられる。

福島復興拠点、住民の7割「住まない」 浪江・津島地区アンケート

2021年04月01日 08時50分 福島民友 WEB

750141277151674368.jpg東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となった浪江町津島地区を巡り、特定復興再生拠点区域(復興拠点)が整備されても住民の約7割が居住を希望しない意向であることが31日、立教大の関礼子教授(環境社会学)の調査で分かった。関教授は「一部が解除されても地域全体が機能しないと住民が感じている」と分析している。

 調査結果は、二本松市で開かれた「福島原発事故津島被害者原告団」の会合で示された。関教授は昨年8月、区長会の協力を得て原発事故前に同地区に住んでいた全451世帯を対象にアンケート用紙を郵送した。1世帯当たり2人に回答を依頼し、全900人のうち、341人から回答があった。

復興拠点が整備されたら住みたいかという質問の回答は約7割の住民が否定的な考えを示した。理由を複数回答で聞くと、「拠点区域だけ除染されても生活できないから」が最も多く、「戻ることをあきらめたから」「除染していない周囲からの再汚染が心配」「自分が住んでいた場所ではない」などが続いた。

 「住みたくない」と答えた人に、津島地区での除染を進めるべきかどうかを聞くと、約6割が「除染は必要だ」と答えた。理由としては「全域の除染が必要だ」「居住は希望しないが、時々は帰宅したい」などの意見があったという。関教授は住民が帰還の意思の有無にかかわらず、除染を求めていることを踏まえ「住民の帰還と除染の問題は切り離して考えるべきだ」と指摘した。

報告会ではこのほか、1世帯当たりの平均人数が事故前の3.72人から3.01人に減少したことや、原発事故後、勤め先から解雇されたり、廃業を経験したりした人が3割強に上ることなども発表され、原発事故が住民の生活に大きな影響を与えたことが改めて浮き彫りになった。

 津島地区を巡っては、津島支所とつしま活性化センターを中心とする約153ヘクタールの区域を復興拠点として整備する計画になっている。

東電社長、柏崎刈羽原発設備故障を認識か 核防護不備、規制委追及へ

2021/3/31 18:03 (JST)3/31 18:57 (JST)updated 共同通信 WEB

bzo9kelwl6b7539em5ipcj3jukytf5.jpg東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備問題で、原子力規制委員会は31日、テロ目的などの侵入検知設備の故障に関する報告書が、小早川智明社長まで上がっていたとの見方を明らかにした。小早川氏が過去の故障の一部を認識していた可能性があるとみて詳しく調べる。

 規制委の更田豊志委員長は「(社長の関与が)関心事項であるのは間違いないが、今後の検査で明らかにしていくことだ。認識していたといっても度合いがあるので、一つ一つ(事実を)押さえていく」と述べた。

規制委によると、同原発では核物質防護規定に違反する事案を、年度ごとに評価し、社長に報告する体制だった。

福島第1原発、処理水決定想定し戦略 福島県、風評対策を改定

2021年03月30日 08時55分 福島民友新聞 WEB

210330news5.gif県は29日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の風評・風化対策強化戦略を改定した。第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の取り扱い方針が決定された場合の対策を新たに明記。風評のさらなる拡大に対応する情報発信に加え、国の風評対策で不足が生じないかを幅広く検証することなどを盛り込んだ。

 県庁で部局長らによる合同本部会議を開いた。政府が処理水の処分方針を決めるが、現時点で決定時期や処分方法は示されていない。ただ、新年度にも想定される決定のタイミングに備え、県庁内で取り組み方針の意思統一を図った形だ。

 戦略では風評が起こり得るという視点に立ち、対策を短期と中期に分類。短期では、買い控えなど県産品のイメージダウンへの対策に加え、国や東電に対策強化を働き掛けるとした。

 中期では、風評が予想される地域や産品の情報を収集し、処理水の処分開始までに可能な対策を講じると明記。風評対策の検証では、処分方針決定後に国が想定している食品の安全性の説明や県産品の販路開拓支援で、新たな風評が生まれないかなどを調べる。

 政府小委員会は昨年2月、海洋と大気(水蒸気)への放出を現実的な選択肢とした上で、海洋放出の利点を強調する報告書をまとめている。内堀雅雄知事は具体的な処分方針について言及していないが、本県の農林水産業や観光業に影響を与えないよう、トリチウムに関する正確な情報発信や具体的な風評対策を踏まえ、慎重に対応方針を検討するよう国に求めている。

 東電は第1原発のタンクで保管できる容量が2022年秋以降に限界に達するとの見通しを示している。処分開始の準備に2年程度かかり、敷地の逼迫(ひっぱく)が懸念されているが、菅義偉首相は「適切な時期に政府が責任を持って処分方針を決定していきたい」と述べるにとどめている。戦略の改定は昨年3月以来で4回目。第5版となった今回は、農林水産物・県産品、観光、情報発信の三つを柱に強化する取り組みを盛り込んだ。

茨城 那珂核融合研究所から煙、 放射性物質漏えいなし

2021/3/29 21:28 (JST)3/29 22:40 (JST)updated 共同通信 WEB

1000062377_20210329212102_m.jpg29日午後3時10分ごろ、茨城県那珂市にある「那珂核融合研究所」の施設内で、通電試験中に発煙が確認された。けが人はいなかった。放射線管理区域外で、放射性物質の漏えいもなかった。地元消防は火災が起きたとみて、詳しい状況を調べている。

研究所によると、整流器棟と呼ばれる施設で、核融合を模した実験を行うための通電試験中に電源系統の機材から発煙した。消防が駆け付けたが、既に研究所職員が消し止めていたため、放水はしなかった。機材近くで電流ケーブルが断線しており、発煙元の可能性がある。実験で放射性物質は使用していなかった。

「もうあきらめて出て行ってくれないか」柏崎刈羽原発、地に落ちた東電への信頼 再稼働へ地元の同意見通せず

2021年3月27日 06時00分 東京新聞 WEB

244ffbea4592a37d784dd6fc7faecf11_2.jpg東京電力が経営再建の柱としている柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が「凍結」された。自ら引き起こしたテロ対策設備の不備が原因だ。社長が立地自治体で謝罪行脚したものの、同県議会の自民党会派からも「企業の体をなしていない」と厳しい声が上がった。東電の信頼は、福島第一原発事故から10年で完全に失われた。(小野沢健太)

◆「原発運転する資格あるのか」
 「原発を運転する適格性があるのか、疑問符が付く状況だ」。同県の花角英世知事は25日、県庁を訪れた小早川智明社長に淡々と言った。小早川氏が「私が先頭に立って原因究明と再発防止に取り組む」と釈明するも「行動と実績で示してください」と静かな声で突き放した。
 東電の応援団となるはずの県議会最大勢力の自民党は、党県連幹事長の小野峯生みねお県議が「撤退もありえることを基本に、今後を考えてください」と迫った。

直後、県議会は、政府と国会に対して「東電に原発を運転する資格があるのか」を再審査するよう求める意見書を全会一致で可決。県議会から「再稼働」を議論する空気が消えた。

◆経済浮揚に期待、擁護の声も
 一方、原発が立地する柏崎市と刈羽村では26日、小早川氏の訪問が歓迎され、東電擁護の発言が相次いだ。東電は原子力規制委員会の再稼働審査を通過した7号機について、早期稼働を計画。約1000億円のコスト削減が見込める上、低迷する地元経済界も好機ととらえているからだ。
 刈羽村の品田宏夫村長は規制委が事実上の運転禁止を命じる方針に、「事実関係をしっかりと主張するべきだ」と反論するよう促した。柏崎市の桜井雅浩市長も「再稼働は必要。2度とこういう事態にならないよう対処してもらいたい」とくぎを刺すにとどめた。

それでも東電の組織的なずさんさが露呈し、再稼働推進を議論する状況ではなくなった。柏崎市議会の真貝維義つなよし議長は取材に「経済界から再稼働を求める請願を議会で審議するはずだったが、できなくなった。非常に残念だ」と悔しがった。

◆新潟県の検証、より慎重に
 柏崎刈羽原発は、規制委と地元自治体の手続きがストップしたため、再稼働の時期は不透明に。県知事が稼働の可否の判断材料とする「福島事故の検証作業」も終わりが見通せない。
 2017年から続く県の検証は、有識者が「事故原因」「健康と生活への影響」「避難」の三つをテーマにしている。

避難委員会の副委員長を務める佐々木寛・新潟国際情報大教授は「避難の判断は、東電からの情報に頼らざるを得ない。東電が信用できないのだから、より慎重に検証する必要がある」と指摘する。
 来年は知事選があり、再稼働の争点化を避けるために早めに同意判断をする観測も流れていた。ただテロ対策設備の不備が明らかになった1月以降、検証作業はストップしている。
 東電トップは今回、県議会で野党会派とは面会せず、地元住民に直接説明する場も設けなかった。原発から約3キロに住む刈羽村の安沢蔵明さん(86)は、うんざりした様子で語った。

「原発は国策だから仕方なく受け入れてきた。福島の事故も今回の不祥事も、東電がだらしないから起きた。もうあきらめて出て行ってくれないか」

柏崎市長「東電に疑念」原発核防護施設不備で謝罪に

2021/3/26 18:22 (JST) 共同通信 WEB

20210326184924605dae24486c4.jpg東京電力の小早川智明社長は26日、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市で桜井雅浩市長と面会し、同原発で発生した核防護設備の不備など一連の問題に関し「不安を与え、心配をお掛けした。

深くおわび申し上げる」と謝罪した
。桜井氏は「市民は大きな不安を抱き、東電の体制、資質に疑念を抱いたのは間違いない」と指摘した。

桜井氏は面会で「いまだ原発再稼働の意義はあると考える」と述べ、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を認める立場を重ねて強調。「社長が先頭に立ち、社員一人一人の意識改革に努めてもらいたい」として、体質改善を求めた。