福島第一原発 凍土壁の冷却材漏れか 汚染水減らす対策で運用

2020年1月9日 23時27分 NHK WEB

K10012240651_2001092327_2001092327_01_02.jpg福島第一原子力発電所の汚染水の発生を減らす対策として運用されている凍土壁の冷却材が一部で漏れたおそれがあり、東京電力では原因の特定を急いでいます。
凍土壁は福島第一原発の建屋の周囲の地盤を凍らせて、地下水の流入を防ぎ、汚染水の発生を減らそうと、4年前から運用が始まりました。

地中に凍結管を埋めて、その内部に地盤を凍らせるための冷却材を循環させる仕組みです。

東京電力によりますと、今月7日から8日にかけてこの冷却材をためているタンクの水位が下がったため、冷却材の循環を止めたところ、水位の低下はとまったということです。

このことから一部の凍結管から冷却材が漏れたおそれがあり、その量はおよそ1600リットルと推定されると発表しました。

東京電力では冷却材の循環を止めても、地盤がとけ始めるまで数か月かかるため、凍土壁の機能に影響はないとしていますが、原因の特定を急いで、補修などの対応を検討するとしています。

イラン原発近くで地震2回、先月も発生

2020.01.09 CNN.JP WEB

borazjan-iran-map-super-169.jpg(CNN) 米地質調査所(USGS)によると、イラン南西部ブシェール州にある原子力発電所近くで現地時間の8日朝、マグニチュード(M)4.9とM4.5の地震が相次いで発生した。
震源はいずれもペルシャ湾に面する同州ボラジャン市から20キロ以内。同市の近くには2010年8月に建設されたブシェール原子力発電所が位置する。イランでは初の原発で、中東地域でも最初の民生用の原子炉となっている。
今回の地震による同原発への影響の有無は伝えられていない。
ボラジャン市近くでは先月27日にもM5.1の地震が起きていた。

USGSによると、M4.9の地震が8日午前9時前に発生。約30分後にM4.5の地震が続いた。
イランは8日、米国による革命防衛隊司令官の殺害に報復するため米軍兵士も駐留するイラク内の2基地に多数のミサイルを撃ち込んだが、2回の地震はこの攻撃から数時間後に起きたという。
大規模な断層上に位置するイランでは過去にも多数の地震が発生している。

福井県内原発の発電量、大震災以降最大に 昨年、前年比14%増

2020年1月9日 中日新聞 WEB

PK2020010802100307_size0.jpg県は、県内原発の二〇一九年の稼働実績をまとめた。対象となる八基のうち、関西電力の四基が年間を通じて通常運転を行った結果、総発電電力量は前年比14・6%増の三百五億キロワット時に増えた。東日本大震災後の一二年以降では最大で、一〇年実績(七百三十三億キロワット時)の四割に戻った。

 昨年稼働した原発は、大飯3、4号機(おおい町)と高浜3、4号機(高浜町)。高浜3号は一年を通じて運転し、それ以外の三基も定期検査を除いて運転した。八基全体の設備利用率は45・0%で、こちらも東日本大震災以降では最高。

昨年稼働しなかった県内四つの原発については、東日本大震災後に運転停止が続いている。敦賀2号機(敦賀市)は原子炉真下に活断層が通ると指摘されている。美浜3号機(美浜町)、高浜1、2号機は全国で前例のない四十年超の延長運転を目指しているが、関電役員の金品受領問題で先が見通せない。

 県内原発の総発電量は、十三基が運転していた〇三年が八百八十五億キロワット時でピーク。東京電力福島第一原発事故を受け一二年二月までに県内全基が停止。新規制基準を満たした原発が一六年から再稼働を始め、徐々に総発電電力量を増やしている。また東日本大震災後に五基の廃炉が決定している。

<原発・福島のいま>福島産あんぽ柿初輸出 富裕層へ売り込み

2020年01月08日水曜日 河北新報 WEB

キャプチャ.PNG福島県は、県北特産の干し柿「あんぽ柿」をアラブ首長国連邦(UAE)に試験輸出した。県の記録ではあんぽ柿の輸出は初。県幹部らが7日、同国の政府関係者や商社に売り込むためUAEのドバイ入りした。あんぽ柿は東京電力福島第1原発事故後に2年間の出荷自粛を余儀なくされ、県は「農業復興の象徴」として本格輸出を目指す。

◎県「農業復興の象徴」

 県によると、中東には日常的にドライフルーツを食べる文化がある。今回は伊達、桑折、国見3市町産で1個約400円の最高級品など計10キロを輸出し、主に富裕層の購買意欲を探る。
 県は2019年度、研究会を設置して輸出の可能性を模索してきた。ドバイで今年2月に開かれる国際食品見本市にも出展する。期間中に流通業者ら10万人の来場が見込まれ、年度内の輸出契約締結につなげたい考え。
 あんぽ柿は県産農産物を代表する冬の味覚で、原発事故前は年1500トンを出荷していた。2011、12年度は出荷の全面自粛を強いられ、13年度以降も苦戦続き。18年度は1300トンまで回復したが、販売単価は8~9割にとどまる。

県農産物流通課は「あんぽ柿はかつて百貨店で一番良い棚に置かれたが、原発事故後は姿を消した。ドバイの富裕層は購買力があり、福島復興の大きな成功例になり得る。商機はある」と意気込む。

◎農産物輸出量、大幅に更新 19年度コメ堅調 モモ、ナシ好調

 福島県産農産物の輸出量が2019年度は280~290トンに上り、過去最高を大幅に更新する見通しになったことが分かった。主要産物のコメやモモが好調に推移している。
 輸出量の推移はグラフの通り。19年度は昨年11月末で232トンに達し、過去最高だった18年度1年間の218トンを既に上回った。東京電力福島第1原発事故前の10年度は153トンだった。
 作物別ではモモ54トン(前年同期比1.7倍)、ナシ28トン(1.5倍)、リンゴ26トン(前年は11月末までの実績なし)はいずれも原発事故後最高を更新。輸出量全体の5割を占めるコメも114トン(1.2倍)と堅調だ。
 国・地域別はタイやインドネシア、カンボジア、フィンランドがいずれも過去最高を記録した。県は人口減少による国内市場の縮小を念頭に、今後も海外への販路拡大を図る。

東電社長が事故後初めて福島第1構内で年頭訓示

2020年01月07日火曜日 河北新報 WEB

無題.png東京電力の小早川智明社長は6日、福島第1原発で年頭訓示を行い、約560人の社員を前に「復興と廃炉を両立させるため、地域の一員として信頼される関係を築く」と語った。

東電の社長が第1原発構内で年頭の訓示をしたのは事故後初めて。

台風で被害を受けた昨年を振り返り「厳しい環境の中、現場の皆さんには頑張っていただいた」とねぎらった。

東電の原発事業に触れ「事故を起こした当事者としての反省と教訓を生かし、安全に原子力を運営できる事業者かどうかの信頼が問われる」と語った。

訓示後に報道機関の取材に応じた。第1原発でたまり続けるトリチウムを含む処理水を巡り、政府の小委員会が海洋放出など3案を軸に検討していることの見解を問われたが「汚染水の発生量を減らし、しっかり保管することがわれわれの努めだ」と述べるにとどめた。

 小早川社長は第1原発が立地する大熊や双葉をはじめ、被災した浪江や葛尾など福島県内の計6町村の役場や避難先の仮役場も訪問。伊沢史朗双葉町長からは第1原発の1、2号機共通排気筒解体工事などでトラブルが相次いだことを踏まえた人材育成など9項目を盛り込んだ要求書を受け取った。

復興の象徴から聖火リレー Jヴィレッジの今

2020年1月6日 05:30 報知新聞 WEB

8.jpg“復興五輪”と銘打たれた2020東京五輪は、東日本大震災から10年目に突入する今年7月24日にいよいよ開幕を迎える。本格的な動きとしては、3月26日に聖火リレーが復興の象徴ともいえるJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)からスタートする。震災直後は福島第1原発事故の事故対応拠点となっていたJヴィレッジの今は?そして、国内外が注目する福島第1原発の今は?現地に足を運んで、現状を確認した。 (石川 高伴)

そこにはかつてのJヴィレッジの姿があった。センター施設の正面入り口から真っすぐ進み、そのまま施設外へと出ると、視界に何面ものサッカー練習場が飛び込んでくる。緑がまぶしい、サッカーの聖地が広がっていた。

 ピッチの数は震災前は計12面(人工芝1面)だったが、現在は計11面(人工芝3面)に減った。かつての2面分のスペースを使って屋根付きの人工芝ピッチである「全天候型練習場」を造ったからだ。その全天候型練習場の隣にある第9ピッチ(人工芝)が、3月26日の聖火リレーのスタート地点となる。震災のあった11年の女子W杯で世界一に輝いた「なでしこジャパン」のメンバーがここから走りだすのだ。

震災直後、Jヴィレッジは福島第1原発事故への対応拠点となり、2年後の13年には東京電力の福島復興本社へと姿を変えた。天然芝のピッチ3面には砂利が敷き詰められ、1面につき800台、計2400台分の駐車場として使われた。施設には白い防護服を着た作業員がせわしく出入り。06年にジーコ・ジャパンが合宿を行ったスタジアムには作業員1000人収容の仮設寮が建設された。サッカーの聖地は、もはや死んだも同然だった。

 だが、13年9月に五輪の東京開催が決定し、再生計画がスタート。震災から8年1カ月後の昨年4月にJヴィレッジは見事に復活した。かつて団体専用だった宿泊施設もシングルルームを増やして新宿泊棟として稼働。さらに、楢葉町の敷地近くに全長200メートルのホームを備えた常磐線のJヴィレッジ駅も開業した。ラグビーW杯のアルゼンチン代表も事前合宿を張るなど、その奇跡的な復活劇はまさに復興の象徴。世界に復興をアピールするにはもってこいの舞台でもある。

だが、その世界の目の一部はJヴィレッジではなく、福島第1原発に向けられている。本当に安全、安心なのか?この問題は避けて通れない。そのため今回、第1原発の敷地内を視察し、現状を体感してきた。第1原発の敷地内を視察するのは13年2月以来、2度目。当時は防護服こそ着用しなかったが、バスの中からしか視察はできなかった。だが、今回は2号機建屋の山側100メートルの高台に歩いて行くことができた。それも防護服なしで約20分間も滞在できた。

7年前はバスの中から計測して900マイクロシーベルト毎時だったその場所は、現在は120マイクロシーベルト毎時。敷地内のあらゆるのり面がモルタルで完全に覆われ、建屋周辺も厚さ5センチの鉄板を敷き詰めて放射線を遮断したことで線量を下げることができたという。4号機建屋の正面にも降りたが、鉄板効果で線量は10マイクロシーベルト毎時だった。東電広報によると、東京ドーム75個分の広さの敷地の96%のエリアで現在は防護服なしでの作業が可能となっているという。約7時間の視察による被ばく線量は30マイクロシーベルト。胸部エックス線撮影での被ばく線量が約50マイクロシーベルトであることと比較すれば、敷地内環境の変化が著しいことだけは間違いないだろう。

安倍晋三首相は五輪の東京招致に際し、汚染水問題を「アンダーコントロール」と表現したが、実際はどうなのか。東電の担当者は「今は処理水もコントロールできてると思っているし、そうしないといけない。残念ながら我々の説明がちゃんと伝わっていない国があるので、しっかりとした情報を発信するしかない」と話した。福島県の内堀雅雄知事(55)も「福島を巡ってさまざまな誤解、風評があるのも現実だが、(五輪は)そういう風評を払しょくして、正しい福島の姿を知っていただく大きな機会になる」と強い信念を示している。受け取り方はさまざま。だからこそ、正確な情報発信の継続で、信頼を勝ち取るしかない。

《労働環境改善へ、激安大型食堂やコンビニも設置》原発敷地内の労働環境を改善するため、東電は15年に山側のエリアに大型休憩所を建設した。中には大食堂があり、2種類の定食、丼もの、麺類の4種類から選べる。しかも、すべて390円と激安だ。いずれも近隣の給食センターから運び込んでいるもので、もちろん福島産の食材を使っている。担当者によると「作業柄、少々カロリー高めです」とのこと。構内にはコンビニもあり、作業員のストレス軽減を図っている。また、作業場の移動には自動運転EVバスも導入され、かつて免震重要棟に集中していた業務も新事務本館を建設して分散化している。

《「廃炉資料館」に貴重な資料を展示》原発周辺の住民などを除き、福島第1、第2原発とも一般視察は受け付けていない。だが、廃炉への取り組みや原発の現状を広く理解してもらうため、東電は18年11月に「廃炉資料館」をオープンした。第2原発のある富岡町の国道6号沿いにあり、震災当時の状況を説明するドキュメンタリー風ビデオを上映したり、敷地内の作業員が使用しているマスクや防護服なども展示している。 

野党合流協議/妥協せず政策の感度を磨け

2020年01月03日金曜日 河北新報 WEB

PK2019071402100086_size0.jpg今度こそ巨大与党への対抗軸となり得るのか。
 立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎両代表は、政党の合流に向け、幹事長間の協議を進めることで合意した。
 2020年は安倍晋三首相がどんな衆院解散戦略を描くのかが最大の焦点だ。21年9月までの自民党総裁任期に「ポスト安倍」が絡み、「1強」の行方を占うことになる。

 先の臨時国会で両党などは衆参両院で統一会派を結成。政権との対決姿勢を鮮明にした。公選法違反疑惑を巡る2閣僚の辞任を追及し、大学入学共通テストへの英語民間検定試験は導入見送りに追い込んだ。共産党が掘り起こした「桜を見る会」問題では、首相の政権運営に一定の打撃を与えたと言えよう。

 ただ、このままでは政権交代を目指す「大きな固まり」にはなり得ない。理念や政策の溝を埋める議論を尽くすべきだ。曖昧なままでは内輪もめの火種を残し、「数合わせ」との批判は免れない。

両党幹部は早期の衆院解散に備えるため、1月20日が有力視される通常国会召集までの合流を目指すが、ハードルは高い。
 立民は「吸収合併」を想定するのに対し、国民は対等な立場で党名やポストなどを話し合うよう求めており、難航も予想される。国民には合流への賛否が渦巻く。衆院の中堅・若手に賛成の声が多い一方、参院側は立民と距離があり、異論が根強い。

 共同通信社が先月14、15日に実施した世論調査によると、立民の支持率10.8%に対し、国民は1.5%で長らく低迷が続く。衆院側は早期解散への危機感が強く、参院側には7月の参院選で立民と競合した改選複数区があったことにしこりが残る。

 政策で温度差が際立つのは原発だ。立民が一日も早い「原発ゼロ」を掲げるのに対し、国民は30年代に原発に依存しない社会実現を目指す。国民は原発再稼働を容認する電力総連など組織内議員を抱え、吸収合併に反発する。

 玉木氏は歩み寄りが可能との認識を示すが、立民側の懸念は強い。仮に原発ゼロや党名で妥協してしまえば、中心支持層を失ってしまいかねないから
だ。消費税の減税に関しても、多様なスタンスでの議員勉強会が相次いで発足するなど、政策面での主張の違いが顕在化している。

両党が国会運営で主導権争いを繰り返してきたこの数年と比較すれば、結集の道筋は見えてきた。ただ、どんな形の合流にせよ、旧民主党勢力が再結集することに変わりはない。結束なき「寄り合い所帯」ならば、国民の期待感は高まるはずもない。

 合流の先こそが、いばらの道だ。政策立案の感度を磨き、地道に国民に支持を訴える。政権の選択肢として魅力ある野党にならなければ、拮抗(きっこう)した対立構図は生まれない。