核のごみ、住民自ら考える場 寿都・神恵内、NUMOに不信感 分断解消へ「本当の対話を」

05/05 05:00 北海道新聞 WEB

AS20200911000943_comm.jpg【寿都、神恵内】原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が進む後志管内寿都町と神恵内村で、住民自身で核のごみの問題や地域振興策を語り合う場をつくる動きが広がっている。両町村では4月中旬、処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)と住民による「対話の場」が始まったが、町内の分断が続く寿都町では紛糾。神恵内村でも村おこしにNUMOが絡むことへの抵抗感があり、住民主体の議論の場を求める声が強まっていた。

4月23日、寿都町総合文化センターに町民や片岡春雄町長ら約120人が集まり、世界各地にある核のごみの最終処分場候補地を紹介する映画を鑑賞した。主催は文献調査に反対する住民団体「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」。ただ賛否の議論ではなく、核のごみの問題を学ぶことが目的だ。

 70代女性は「核のごみの処分がどんなものか関心はあるけど、賛否が対立する町内では話題に出しにくい。開かれた場で学ぶことができてよかった」と話した。

片岡町長は昨年10月の文献調査応募に際し、町民と処分事業について勉強していく姿勢を強調していた。だが4月14日の対話の場の初会合では、処分事業に「理解を深めていただくこと」を設置目的とする会則案が示され、反対派町議らが「処分場建設ありきだ」と反発。町長が当初約束した参加者の公募を撤回したこともあり、町やNUMOへの不信感が鮮明になった。

 ただ住民の対立が激化すれば、地域の分断が修復不可能になるという懸念も町民に広がった。文献調査の賛否にかかわらず、マチの将来を議論する場を求める機運も高まった。町民の会が映画会を開いたのも、こうした声を受けてのことだ。

さらに同会は1月、町民同士が本音で語り合う「くっちゃべる会」もスタートさせた。3月までに計3回開き、延べ約100人が参加。家庭内で賛否が割れ険悪になったという女性や、核のごみの処分事業に頼らず漁業による産業活性化が必要という若い男性らが思いを語った。5月以降も開催予定で、共同代表の三木信香さん(49)は「参加者が本当の『対話』をできる場にしたい」と力を込める。

 一方、北海道電力泊原発(同管内泊村)の立地地域として原子力政策と共存してきた神恵内村では、文献調査に表立って反対する動きは乏しい。ただ核のごみの処分事業が主題となる対話の場で、NUMOが地域振興につながる国の支援策についても説明する構えを見せていることに、複雑な思いも持つ村民もいる。

2012年から村の海産物をフェイスブックで発信するなどの活動を続ける住民団体「神恵内村魅力創造研究会」のメンバーは「地域振興策は会でずっと議論してきた。実情を知らないNUMOが入っても意味がないのでは」と漏らす。

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