福島復興拠点、住民の7割「住まない」 浪江・津島地区アンケート

2021年04月01日 08時50分 福島民友 WEB

750141277151674368.jpg東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となった浪江町津島地区を巡り、特定復興再生拠点区域(復興拠点)が整備されても住民の約7割が居住を希望しない意向であることが31日、立教大の関礼子教授(環境社会学)の調査で分かった。関教授は「一部が解除されても地域全体が機能しないと住民が感じている」と分析している。

 調査結果は、二本松市で開かれた「福島原発事故津島被害者原告団」の会合で示された。関教授は昨年8月、区長会の協力を得て原発事故前に同地区に住んでいた全451世帯を対象にアンケート用紙を郵送した。1世帯当たり2人に回答を依頼し、全900人のうち、341人から回答があった。

復興拠点が整備されたら住みたいかという質問の回答は約7割の住民が否定的な考えを示した。理由を複数回答で聞くと、「拠点区域だけ除染されても生活できないから」が最も多く、「戻ることをあきらめたから」「除染していない周囲からの再汚染が心配」「自分が住んでいた場所ではない」などが続いた。

 「住みたくない」と答えた人に、津島地区での除染を進めるべきかどうかを聞くと、約6割が「除染は必要だ」と答えた。理由としては「全域の除染が必要だ」「居住は希望しないが、時々は帰宅したい」などの意見があったという。関教授は住民が帰還の意思の有無にかかわらず、除染を求めていることを踏まえ「住民の帰還と除染の問題は切り離して考えるべきだ」と指摘した。

報告会ではこのほか、1世帯当たりの平均人数が事故前の3.72人から3.01人に減少したことや、原発事故後、勤め先から解雇されたり、廃業を経験したりした人が3割強に上ることなども発表され、原発事故が住民の生活に大きな影響を与えたことが改めて浮き彫りになった。

 津島地区を巡っては、津島支所とつしま活性化センターを中心とする約153ヘクタールの区域を復興拠点として整備する計画になっている。