福島第1原発、処理水決定想定し戦略 福島県、風評対策を改定

2021年03月30日 08時55分 福島民友新聞 WEB

210330news5.gif県は29日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の風評・風化対策強化戦略を改定した。第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の取り扱い方針が決定された場合の対策を新たに明記。風評のさらなる拡大に対応する情報発信に加え、国の風評対策で不足が生じないかを幅広く検証することなどを盛り込んだ。

 県庁で部局長らによる合同本部会議を開いた。政府が処理水の処分方針を決めるが、現時点で決定時期や処分方法は示されていない。ただ、新年度にも想定される決定のタイミングに備え、県庁内で取り組み方針の意思統一を図った形だ。

 戦略では風評が起こり得るという視点に立ち、対策を短期と中期に分類。短期では、買い控えなど県産品のイメージダウンへの対策に加え、国や東電に対策強化を働き掛けるとした。

 中期では、風評が予想される地域や産品の情報を収集し、処理水の処分開始までに可能な対策を講じると明記。風評対策の検証では、処分方針決定後に国が想定している食品の安全性の説明や県産品の販路開拓支援で、新たな風評が生まれないかなどを調べる。

 政府小委員会は昨年2月、海洋と大気(水蒸気)への放出を現実的な選択肢とした上で、海洋放出の利点を強調する報告書をまとめている。内堀雅雄知事は具体的な処分方針について言及していないが、本県の農林水産業や観光業に影響を与えないよう、トリチウムに関する正確な情報発信や具体的な風評対策を踏まえ、慎重に対応方針を検討するよう国に求めている。

 東電は第1原発のタンクで保管できる容量が2022年秋以降に限界に達するとの見通しを示している。処分開始の準備に2年程度かかり、敷地の逼迫(ひっぱく)が懸念されているが、菅義偉首相は「適切な時期に政府が責任を持って処分方針を決定していきたい」と述べるにとどめている。戦略の改定は昨年3月以来で4回目。第5版となった今回は、農林水産物・県産品、観光、情報発信の三つを柱に強化する取り組みを盛り込んだ。

茨城 那珂核融合研究所から煙、 放射性物質漏えいなし

2021/3/29 21:28 (JST)3/29 22:40 (JST)updated 共同通信 WEB

1000062377_20210329212102_m.jpg29日午後3時10分ごろ、茨城県那珂市にある「那珂核融合研究所」の施設内で、通電試験中に発煙が確認された。けが人はいなかった。放射線管理区域外で、放射性物質の漏えいもなかった。地元消防は火災が起きたとみて、詳しい状況を調べている。

研究所によると、整流器棟と呼ばれる施設で、核融合を模した実験を行うための通電試験中に電源系統の機材から発煙した。消防が駆け付けたが、既に研究所職員が消し止めていたため、放水はしなかった。機材近くで電流ケーブルが断線しており、発煙元の可能性がある。実験で放射性物質は使用していなかった。

「もうあきらめて出て行ってくれないか」柏崎刈羽原発、地に落ちた東電への信頼 再稼働へ地元の同意見通せず

2021年3月27日 06時00分 東京新聞 WEB

244ffbea4592a37d784dd6fc7faecf11_2.jpg東京電力が経営再建の柱としている柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が「凍結」された。自ら引き起こしたテロ対策設備の不備が原因だ。社長が立地自治体で謝罪行脚したものの、同県議会の自民党会派からも「企業の体をなしていない」と厳しい声が上がった。東電の信頼は、福島第一原発事故から10年で完全に失われた。(小野沢健太)

◆「原発運転する資格あるのか」
 「原発を運転する適格性があるのか、疑問符が付く状況だ」。同県の花角英世知事は25日、県庁を訪れた小早川智明社長に淡々と言った。小早川氏が「私が先頭に立って原因究明と再発防止に取り組む」と釈明するも「行動と実績で示してください」と静かな声で突き放した。
 東電の応援団となるはずの県議会最大勢力の自民党は、党県連幹事長の小野峯生みねお県議が「撤退もありえることを基本に、今後を考えてください」と迫った。

直後、県議会は、政府と国会に対して「東電に原発を運転する資格があるのか」を再審査するよう求める意見書を全会一致で可決。県議会から「再稼働」を議論する空気が消えた。

◆経済浮揚に期待、擁護の声も
 一方、原発が立地する柏崎市と刈羽村では26日、小早川氏の訪問が歓迎され、東電擁護の発言が相次いだ。東電は原子力規制委員会の再稼働審査を通過した7号機について、早期稼働を計画。約1000億円のコスト削減が見込める上、低迷する地元経済界も好機ととらえているからだ。
 刈羽村の品田宏夫村長は規制委が事実上の運転禁止を命じる方針に、「事実関係をしっかりと主張するべきだ」と反論するよう促した。柏崎市の桜井雅浩市長も「再稼働は必要。2度とこういう事態にならないよう対処してもらいたい」とくぎを刺すにとどめた。

それでも東電の組織的なずさんさが露呈し、再稼働推進を議論する状況ではなくなった。柏崎市議会の真貝維義つなよし議長は取材に「経済界から再稼働を求める請願を議会で審議するはずだったが、できなくなった。非常に残念だ」と悔しがった。

◆新潟県の検証、より慎重に
 柏崎刈羽原発は、規制委と地元自治体の手続きがストップしたため、再稼働の時期は不透明に。県知事が稼働の可否の判断材料とする「福島事故の検証作業」も終わりが見通せない。
 2017年から続く県の検証は、有識者が「事故原因」「健康と生活への影響」「避難」の三つをテーマにしている。

避難委員会の副委員長を務める佐々木寛・新潟国際情報大教授は「避難の判断は、東電からの情報に頼らざるを得ない。東電が信用できないのだから、より慎重に検証する必要がある」と指摘する。
 来年は知事選があり、再稼働の争点化を避けるために早めに同意判断をする観測も流れていた。ただテロ対策設備の不備が明らかになった1月以降、検証作業はストップしている。
 東電トップは今回、県議会で野党会派とは面会せず、地元住民に直接説明する場も設けなかった。原発から約3キロに住む刈羽村の安沢蔵明さん(86)は、うんざりした様子で語った。

「原発は国策だから仕方なく受け入れてきた。福島の事故も今回の不祥事も、東電がだらしないから起きた。もうあきらめて出て行ってくれないか」

柏崎市長「東電に疑念」原発核防護施設不備で謝罪に

2021/3/26 18:22 (JST) 共同通信 WEB

20210326184924605dae24486c4.jpg東京電力の小早川智明社長は26日、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市で桜井雅浩市長と面会し、同原発で発生した核防護設備の不備など一連の問題に関し「不安を与え、心配をお掛けした。

深くおわび申し上げる」と謝罪した
。桜井氏は「市民は大きな不安を抱き、東電の体制、資質に疑念を抱いたのは間違いない」と指摘した。

桜井氏は面会で「いまだ原発再稼働の意義はあると考える」と述べ、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働を認める立場を重ねて強調。「社長が先頭に立ち、社員一人一人の意識改革に努めてもらいたい」として、体質改善を求めた。

脱原発、首相官邸前で最後の訴え 市民団体が400回目の集会

2021/3/26 21:54 (JST)3/26 22:13 (JST)updated 共同通信 WEB

20210326-00000128-mai-000-3-view.jpg東京電力福島第1原発事故を受け、東京都千代田区の首相官邸前や国会周辺で毎週金曜日に脱原発を訴えてきた市民団体「首都圏反原発連合」が26日夜、3月末の活動休止前として最後となる400回目の集会を開き、参加した多くの市民らが「原発ゼロ」を求めた。

 集会は午後6時半ごろから始まり、参加者はドラムのリズムに合わせて「原発反対」「再稼働反対」と声を上げた。中心メンバーのミサオ・レッドウルフさんはマイクを握り「多くの国民が原発はいらないと言っている。(菅義偉首相は)原発ゼロを宣言して」と官邸に向かって呼び掛けた。

関電、脱炭素で3千億円超投資 原発や再生可能エネルギー推進

2021/3/25 21:02 (JST) 共同通信 WEB

13.png関西電力が、政府の掲げる脱炭素社会の実現に向けて今後5年間で3千億円超を投資する計画を立てていることが25日、関係者への取材で分かった。

発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の活用や、水素や風力、太陽光といった再生可能エネルギーの利用を拡大するための投資を加速させる。26日に発表する21年度からの中期経営計画に盛り込む。

関電は2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする長期計画を公表している。中期計画では、将来の各電源の割合を示す電源構成比率は示さないが、森本孝社長をトップとした新組織を立ち上げて脱炭素への取り組みを強化する。

柏崎刈羽原発 燃料装塡禁止 規制委、東電に命令へ

2021/03/24 13:37 新潟日報 WEB

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東京電力柏崎刈羽原発で核物質防護に関わる深刻な事態が相次いだ問題で、原子力規制委員会は24日午前から定例会合を開き、東電に対して原子炉への燃料の装塡(そうてん)など、核燃料物質の移動を禁じる「是正措置命令」を出す方針を決めた。今後、東電側の弁明を聞く機会を設けるなどの手続きを経て、正式に命令を確定する。

命令の期間については、同原発は現在、規制上の対応区分で5段階のうち2番目に深刻な「安全活動に長期間にわたる重大な劣化がある状態」にあるとし、それが最も軽微な「事業者の自律的な改善が見込める状態」になるまでの間と定めた。東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機は事実上、この命令が解除されるまで再稼働に必要な検査を進められない。

柏崎刈羽原発では、所員が別人のIDカードを使って原発中枢の中央制御室に不正に入室した問題が1月に発覚。さらに、テロ防止に関わる侵入検知設備が2020年3月以降、長期間にわたって機能を失っていた可能性がある問題も明らかになった。この問題については、規制委が安全上の重要度を4段階で最悪レベルの「赤」と評価した。

これらの問題を受け、規制委は23日に非公開の臨時会を開催し、処分の検討に入った。また、規制委は同日、不正入室も含む一連の問題について、第三者の評価を含む根本的な原因の特定や、改善活動の計画を6カ月後の9月23日までに報告するよう東電に指示した。追加の検査を行うことも通知した。

原発処理水処分の協力で合意 経産省とIAEA

2021/3/23 19:58 (JST)3/23 20:47 (JST)updated 共同通信 WEB

img_53a36e44c4b4673d09216510804cd3f5342341.jpg梶山弘志経済産業相は23日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長とテレビ会議方式で会談した。日本政府が東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分方針を決めた際には、IAEAが決定内容を精査するほか、国際社会への情報発信についても協力することで合意した。

 会談で梶山氏は「処分方針決定に向けた最終調整をしている」とし、処分方法や設備の評価のほか、処分開始後も実施状況を確認し、放射性物質のモニタリング精度を監視するよう要請した。

経産省によると、グロッシ氏は「イエスと言いたい。プロフェッショナルな協力を提供したい」とし、全面的に応じる考えを示した。

福島第一原発、地震のリスクあらわに 地震計の故障、建屋の劣化、ずれるタンク‥‥

2021年3月20日 20時29分 東京新聞 WEB

eb981560d3ef44bbd0238d1905366e15_2.jpg2月13日夜に東北・関東を襲った最大震度6強の地震では、東京電力福島第一原発の地震計が4カ月以上前に撤去されていたことが判明するなど、10年前の事故で損傷した原発が抱える危険性と、東電のずさんな体制が浮き彫りになった。3月20日には再び宮城県などで最大震度5強の地震が発生。建屋内の放射線量が高く通常の保守点検ができない状況で、終わりの見えない「廃炉」に向けて続く作業の安全性は確保できるのか。(福岡範行、片山夏子)

◆故障後も撤去されたまま
 福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は2月25日の記者会見で謝罪に追われた。3号機原子炉建屋に設置したはずの地震計が、故障で撤去されたままだったからだ。
 「私が(故障を)把握したのは、申し訳ないです、2月19日です」。2台設置された地震計は昨年7月に1台が、たまり水につかって故障。3カ月後にはもう1台も使えなくなっていた。その事実をトップが7カ月半も知らなかった。

1~4号機にもともとあった原子炉緊急停止の判断用の地震計は、10年前の津波と事故で使用不能になった。東電は昨年4月、水素爆発で損傷した3号機建屋の揺れ具合を把握するため、先の地震計2台を設置したのだが、結局、小野氏が強調する「貴重なデータ」は全く取れなかった。
 2月の地震後、溶け落ちた核燃料(デブリ)が残る1、3号機の原子炉格納容器で水位が低下。事故時にできた損傷部分が広がったとみられる。浄化途中の汚染水などを保管するタンク53基の位置も最大19センチずれた。タンク同士をつなぐ配管が外れたら、汚染水が大量に漏れる恐れがあった。

◆「損傷の広がり分からない」
 地震への備えを難しくさせているのは、建屋内の放射線量の高さだ。ある作業員は「中が見えないから、どう損傷が広がっているのか分からない」と漏らす。
 鉄筋コンクリート建造物が専門の滝口克己東京工業大名誉教授は2019年に、日本原子力学会の分科会で福島第一原発の建屋の性能評価をとりまとめた。「原子炉建屋は厚さ1.5メートルや2メートルの壁がざらにある」といい、倒壊の恐れは低いと指摘する。

滝口氏が懸念するのは、建屋の局所的な劣化の進みだ。壁内の鉄筋がさびて膨らみコンクリートから露出すれば、さびが加速するため、ひび割れなど異変に早く気付く必要がある。地震計による観測は劣化傾向をつかむ点で貴重なものの、「目視点検の代わりにはならない」と断言する。

◆「東電は緊張感が緩んでいる」
 東電によると、1~3号機建屋の外観は19年度から年に1度ほど目視で点検。建屋内は事故直後にロボット調査をしただけで、ほとんど分かっていない。今年4月以降に、人が入っての点検を目指しており、実現すれば対策強化につながる。
 ただ、作業担当者の被ばく線量を抑えることは必須で、手法や頻度は検討段階だ。デブリが残り、格納容器の上ぶたが極めて高濃度の放射性物質に汚染されている1~3号機の原子炉設備の点検は、困難を極める。

プールの使用済み核燃料やデブリの取り出しも、現場の安全確保が最優先。事故を知るベテラン社員が減り、作業員からは「東電は緊張感が緩んでいる」という声も聞こえる。廃炉の責任者の小野氏は「津波には感度高く動いていたと思う。地震もしっかり考えないといけない」と強調するが、備えは間に合うのか。次の地震はいつ来てもおかしくはない。

東海第2原発訴訟、原電が控訴 一審の運転差し止め判決不服

2021/3/19 19:05 (JST)3/19 19:23 (JST)updated 共同通信 WEB

AS20180704004440_comm.jpg日本原子力発電は19日、東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを命じた水戸地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。50日以内に詳細な控訴理由書を高裁に提出する。

 原電は「当社の主張を理解いただけず、誠に遺憾で到底承服できない」とするコメントを発表した。

 原告団の大石光伸共同代表は取材に対し「意が通らなければ条件反射のように控訴するのはいかがなものか。判決の意味や住民の思いをよく検討した上で判断してもらいたかった」と話した。

18日の水戸地裁判決は「実現可能な避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い」などと指摘した。

原発避難者訴訟、最高裁に要請 原告ら「ふるさと喪失、賠償を」

2021/3/15 16:56 (JST)3/15 17:13 (JST)updated 共同通信 WEB

unnamed.jpg福島第1原発事故で避難指示を受けた住民らが東京電力に損害賠償を求めた訴訟で、原告と弁護団は15日、賠償を認めた仙台高裁判決に対する東電の上告を受理しないよう、最高裁に要請した。原告の国分富夫さん(76)は東京都内で記者会見し「ふるさとでの暮らしを失った苦しみは大きい。東電の責任を明確にする判断を望む」と訴えた。

全国で起こされた同種の集団訴訟で初の二審判決だった昨年3月の高裁判決は、一審福島地裁いわき支部より多い総額約7億3千万円の支払いを東電に命じた。

 東電は最高裁に提出した書面で、国の中間指針に基づく賠償額で十分だと主張している。

福井県議会、原発同意判断先送り 40年超3基の再稼働

2021/3/12 18:39 (JST) 共同通信 WEB

ce51ae9aqm0kZwNjWzt9AwZjWzL9L292MKVgqT9jWy89AwN0LwZ2L2L.jpg福井県にある運転開始から40年を超えた関西電力の原発3基の再稼働を巡り、17日閉会の県議会定例会では同意の是非の結論が出ないことが決定的になった。

最大会派の県会自民党が12日、表明した。
国が原子力政策の方向性や立地自治体の長期的な振興策をより明確に示す必要があるとしている。


同会派の仲倉典克県議はこの日の予算決算特別委員会で「国に投げてまだ返ってきていないボールが多い」と指摘。杉本達治知事は「国に具体的に形にするよう強く求める。その回答を得たら再び県議会で議論を進めてほしい」と応じた。

 高浜原発1、2号機と美浜原発3号機の再稼働を立地2町は既に同意した。

台湾の原発全廃求め台北で集会 福島事故10年「忘れるな」

2021/3/13 19:10 (JST)3/13 19:47 (JST)updated 共同通信 WEB

228e8_1290_bbc7a534_2d641444.jpg【台北共同】東京電力福島第1原発事故10年を受け、台湾の環境保護団体などは13日、台北市で「福島10年 原発にお別れ」と銘打った集会を開催し「事故を忘れずに、原発建設再開に断固反対しよう」と訴えた。

 台湾は事故後、脱原発を推進してきた。だが、原発推進団体は建設凍結中の台湾第4原発(北部・新北市)の建設再開を巡る住民投票を提起し、今年8月に実施される。脱原発派は6月にデモ行進を実施するなどして、建設再開反対の世論を盛り上げていく方針だ。

集会では「溶け落ちた燃料(デブリ)や放射性物質を含む処理水の処分も見通しが立っていない」と指摘した。

旅館に原子力災害考証館オープン 福島・いわき「無念さ伝える」

2021/3/12 17:08 (JST) 共同通信 WEB

img_685806a79b8052d7f799d0cbddde022b38403.jpg公的施設とは異なる視点で福島第1原発事故を伝える「原子力災害考証館」が12日、福島県いわき市にオープンした。津波被害の後、事故に伴う立ち入り制限で捜索が進まず、5年以上経て見つかった遺品など約100点を展示。

関係者は「原子力災害で文化や日常を失った人々の無念さ、声なき声を残したい」と語る。

 考証館は、JR常磐線湯本駅近くにある旅館「古滝屋」の経営者里見喜生さんが、原発事故で宿泊客が減り、使わなくなった約30平方mの宴会場を改装した。

 福島県が運営する「東日本大震災・原子力災害伝承館」(同県双葉町)では、国や東電も含む「特定の団体」への批判を禁止している。




元首相5人が脱原発宣言 事故の教訓風化に危機感

2021/3/11 21:30 (JST)3/11 21:47 (JST)updated 共同通信 WEB

0c10.jpg小泉純一郎、菅直人両氏ら元首相5人が11日、東京電力福島第1原発事故の発生から10年となったのに合わせ、日本政府に対して脱原発への政策転換を求める宣言をそれぞれ発表した。

事故で学んだ教訓が風化することへの危機感も訴えた。

 小泉、菅両氏以外の3人は、細川護熙、村山富市、鳩山由紀夫の各氏。小泉氏は東京都内の講演で「首相の時は推進論者の話を信じていたが、間違いだった」と力説。事故当時、首相だった菅氏は「日本はいまだに原発ゼロを決断せず、自然エネルギーの推進も遅れている。深く憂慮する」と指摘した。

細川氏は「原発という不条理と闘わなければならない」と主張した。

「警備員が社員に忖度」新潟・柏崎刈羽原発ID不正

2021/3/10 13:01 (JST) 共同通信 WEB

0076995900498462.jpg東京電力は10日、柏崎刈羽原発(新潟県)の所員が他人のIDカードで中央制御室に不正入室した問題で、警報が出たのに所員を通過させるなど、警備員の社員への忖度が原因の一つだったと原子力規制委員会に報告した。核物質防護の重要性への理解不足も挙げた。

 東電は当事者らへの聞き取りなどから、警備業務への尊重が不足しており、厳格な警備がしにくい風土があったと分析した。2月から現場に本人認証装置を追加し、朝礼や点呼の際にIDカードを相互にチェックするほか、警備業務の責任者を新たに置く。

東電は小早川智明社長を厳重注意とするなど計13人を処分した。

北海道寿都町、核ごみ住民投票条例成立、 概要調査是非問う

2021/3/8 12:44 (JST)3/8 12:45 (JST)updated 共同通信 WEB

PN2021030801001421.-.-.CI0003.jpg.jpg原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、第1段階の文献調査が進む北海道寿都町の町議会で8日、第2段階の概要調査に移る際に調査受け入れの是非を問う住民投票条例が賛成多数で可決、成立した。

文献調査は約2年かかるため、早ければ2022年にも住民投票が行われる可能性がある。

 国は文献調査から概要調査に進む際、知事や市町村長が反対すれば先に進まないとしている。

北海道の鈴木直道知事は反対を表明しており、実際に概要調査に進むかどうかは見通せない。

国は「西へ逃げろ」と言うだけ 全町避難の福島・大熊前町長

2021/3/7 16:34 (JST)3/7 16:49 (JST)updated 共同通信 WEB

ea2e1a6d8331e04f857d3f7ad477b5cd.jpg東電福島第1原発事故で全町避難した福島県大熊町の渡辺利綱前町長が7日、同県双葉町で講演し、「国は『西へ逃げろ』と言うだけ。避難先は各自治体が自分たちで決めねばならなかった」と当時の混乱ぶりを語った。 当時約1万1千人が暮らした大熊町は発生翌日、西隣の田村市の体育館などに避難。その後、さらに西の会津若松市に町民用の住まいを確保し、2019年4月に町の一部が避難解除されるまで仮役場も置いた。

避難開始から10日が過ぎても国や県から指示は無く、会津若松市とも独自に交渉。渡辺氏は「同じことをまたできるかと言われると分からない。火事場のばか力でした」と述べた。

82%が原発廃止求める 東北3県の被災者調査

2021/3/6 06:24 (JST)3/6 13:47 (JST)updated 共同通信 WEB

origin_1.jpg共同通信が、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の被災者300人に実施したアンケートで、国内の原発について、将来的な廃止も含めてなくすべきだと答えた人が82%に上ったことが6日、分かった。

事故から間もなく10年を迎えるが、廃炉作業は難航。一部地域で避難指示が今なお続く福島を中心に、住民の根強い不安が浮き彫りとなった形だ。

 アンケートは昨年11月、岩手、宮城、福島3県各100人に対面形式で実施した。

原発を「すぐに全て廃止すべき」としたのは30%。県別では福島が40%で、27%の岩手、24%の宮城より13~16ポイント高かった。

「避難指示遅れ被ばく」と提訴 福島・飯舘村29人、国と東電に

2021/3/5 20:51 (JST)3/5 21:05 (JST)updated 共同通信 WEB

PN2021022801001426.-.-.CI0003-thumb-450x352-29276.jpg東京電力福島第1原発事故で被ばくしたのは避難指示の遅れが原因などとして、福島県飯舘村から県内に避難した12~89歳の男女29人が5日、国と東電に計2億円余りの損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、国は原発事故後の2011年3月15日、飯舘村の一部を含む20~30キロ圏の住民らに屋内退避を指示。同4月22日、村を「計画的避難区域」とし、おおむね1カ月間で計画的に避難するよう指示した。

原告側は、村役場周辺で高い放射線量が観測された3月15日の段階で「国が避難指示を出すべきだったのに怠った」と指摘した。

40年超原発の運転「不可欠」国や関電、安全対策を説明

2021/3/4 21:42 (JST) 共同通信 WEB

4020201112-890x500.jpg経済産業省資源エネルギー庁は4日、関西電力が運転開始から40年を超えて再稼働を目指す福井県内の原発3基に関する住民向け説明会を福井市で開いた。事故時の住民避難計画や安全対策を紹介した上で、エネルギー政策の観点から運転が不可欠だとする国の見解を説明した。

 関電担当者は地震や津波を想定した設備強化や老朽化対策を解説し、安全性を強調した。

参加者からは「耐震性の科学的なデータを示してほしい」「新型コロナウイルス流行下で避難計画に実効性があるのか疑問だ」といった意見や、使用済み核燃料の処分方法を問う声もあった。

ドイツ、来年末に脱原発を実現 環境相、再生エネルギーへ集中

2021/3/3 19:05 (JST)3/3 19:23 (JST)updated 共同通信 WEB

20200704-00000019-kyodonews-000-3-view.jpg【ベルリン共同】ドイツのシュルツェ環境相は3日までに、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて決めた脱原発が「全く支障なく進んでいる」と強調、22年末に全17基の原子炉廃止が計画通り実現するとの自信を示した。事故から10年になるのを前に共同通信の書面インタビューに応じた。

 事故で原発の危険性を確信し、現在は再生可能エネルギー拡大に集中しているとし、「原子力は危険かつ高コストで、各国に利用中止を呼び掛けたい」と指摘。原発活用政策を維持する日本と一線を画した状況が浮き彫りになった。

シュルツェ氏は原発の安全対策を統括している。

核ごみ最終調査前に住民投票 寿都町、議会に条例案提出

2021/3/2 13:54 (JST)3/2 13:55 (JST)updated 共同通信 WEB

PN2021030201001761.-.-.CI0003.jpg.jpg原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、第1段階の文献調査が進む北海道寿都町は2日、第3段階の精密調査に移る際に調査受け入れの是非を問う住民投票を行う条例案を町議会に提出した。町議会は3日に特別委員会で審議することを決めた。

処分場選定は3段階あり、活断層の有無などを資料で調べる文献調査が2年程度続き、ボーリングなどで地質や地盤を調べる第2段階の概要調査で約4年かかるため、仮に住民投票が実施されるとしても、早くとも6年前後先となる見通しだ。

 片岡春雄町長は概要調査まで進む構えで、提案理由では地盤などの状況を学ぶ必要性を強調した。

「政党の枠超えて原発ゼロを」 小泉、菅両元首相が会見

2021/3/1 19:06 (JST) 共同通信 WEB

sty2103010015-f3.jpg東京電力福島第1原発事故後、脱原発を訴える小泉純一郎、菅直人両元首相が1日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し「政党の枠を超えて原発ゼロで発展できる国にしたい」(小泉氏)などと、原発ゼロと再生可能エネルギーの導入拡大を呼び掛けた。2011年3月の事故後、両氏がそろって会見するのは初めてという。

小泉氏は「原発問題は与党も野党もない」と強調、「首相がやめると言えばやめられる。そういう首相を出さなきゃいかん」と訴えた。菅氏は、菅義偉政権が掲げた温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」が、原発再稼働や新増設の口実になっていると批判した。

福島3号機プール燃料、搬出完了 炉心溶融の3基で初

2021/2/28 17:09 (JST) 共同通信 WEB

002_size3.jpg東京電力は28日、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールに残っていた燃料566体の取り出し作業を完了したと明らかにした。

2014年に完了した4号機に続き2基目で、炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機では初となる。

 強い放射線を出し、原子炉建屋上部にあるプールからの燃料取り出しは廃炉の主要課題。第1原発のリスクを一つ取り除いたことになるが、1、2号機には計1007体が残っているほか、溶融核燃料(デブリ)の取り出しも待ち構える。

東電によると、同日、最後の6体を敷地内にある共用プールに移し終えた。当面保管を続ける。