柏崎原発事故時のウイルス対策議論 県避難委 政府方針に疑問続出

2020/08/12 10:30 新潟日報 WEB

152676230131969465179_sgnl201607_13ph1.jpg東京電力柏崎刈羽原発の安全性を巡る新潟県独自の「三つの検証」の一つで、重大事故時の安全な避難方法を検証する「避難委員会」は11日、新潟市中央区で会合を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、感染症の流行時に原発事故が起きた場合、住民の被ばく防護と感染防止をどう両立するかについて議論。内閣府が示す基本方針に対し、疑問や懸念が相次いだ。

内閣府は6月、被ばく対策と感染症対策を「可能な限り両立させる」という基本方針を公表。

密集の回避や手指の消毒など感染症対策を考慮しつつ、感染者や感染の疑いがある人を含めて避難、屋内退避を行う方針を示した。自宅などで屋内退避をする際は、被ばく防護を優先し「原則、換気を行わない」と明記した。

 11日の会合では「両立」の難しさを指摘する声が相次いだ。委員の1人は、避難を支援する民間バス事業者の協力について「感染リスクも重なれば、車両や運転手を確保するのは難しいのではないか」と指摘。別の委員は、被ばく医療に加え、感染症対策まで担う医療提供体制を確保できるのかに懸念を示した。

 屋内退避時に被ばくリスクより感染リスクを低く見積もる根拠を示すよう内閣府に求める意見もあった。

感染症対策について、さらに議論を深める必要があるとの声も複数あった。関谷直也委員長(東大大学院准教授)は会合後の取材に対し、感染症対策の議論は状況を見極める必要があるとして「まずは、今までの(別のテーマの)議論を継続していく」と話した。

 予定していた、避難者に放射性物質が付着していないかを調べる「スクリーニング(汚染検査)」の課題を取りまとめる中間報告は次回以降に持ち越した。