福島第1原発処理水放出 政府小委「海洋」「大気」「両方」3案提示

2019年12月24日火曜日 河北新報 WEB

キャプチャ.PNG東京電力福島第1原発でたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法などを議論する政府の小委員会の会合が23日、東京都内であり、経済産業省は取りまとめ案として「海洋放出」など国内外で実績のある三つの処分方法を示した。開始時期や期間は「政府の責任で決定すべきだ」と指摘した。

 2016年9月に設立された小委はこれまで16回の議論を重ねた。今回の案は政府への提言のたたき台としての位置付けで、政府は小委の取りまとめを受けて関係者から意見を聴き、最終的に処分方法を決める。

海洋放出以外の処分方法は「大気放出」「両方実施する」の二つ。海洋放出は処理水を安定的に希釈拡散することができ、蒸発させる大気放出は過去に事故炉で実施された事例がある。一方で海洋は水産業や観光業、大気は陸側の農林業などへも影響が懸念される。
 両方実施は特定産業への風評の偏りを防げるが、水陸両方に影響範囲が広がるデメリットがある。

 処分方法はこれまで、地層注入や水素放出、地下埋設を含めて議論してきた。しかし、この三つは実績がなかったり、技術開発や新たな規制を設けたりする必要があり「現実的な選択肢としては課題が多い」と結論付けた。

 タンクを造り続けて処理水を長期保管する案は「現行計画以上のタンク増設の余地は限定的だ」と否定的な見方を示した。処分の開始時期や期間は「小委の議論だけで設定すべきではない」と明記した。

会合では委員から「海洋放出は社会的影響が極めて大きいということを明記すべきだ」「具体的な風評被害対策の検討が不足している」といった意見が出た。
 第1原発構内では、汚染水を多核種除去設備「ALPS(アルプス)」などで処理した水が日々たまり続け、保管するタンクの容量が22年夏ごろに満杯になるとみられる。